Seed Techno Japan

種子処理・種子加工の流れ

プライミング(発芽促進技術)

プライミング

プライミングとは、種子に物理的または生理的変化を加えることで種子の発芽を促進させる処理です。ニンジン、トマト、ナス、タマネギ、ホウレンソウなどの野菜種子の多くは、プライミング処理することにより発芽にかかる時間が短縮し、発芽の揃いも驚くほど改善します。また、レタスのように高温発芽阻害をおこしやすい種子では、一般的に発芽適温を超えると環境休眠状態となり、発芽率の低下や発芽の遅延を起こし栽培に影響が出ることがありますが、プライミング処理をおこなうことでこの休眠状態を打破することが可能です。
私たちは、現在10品目の野菜種子に最適化したプライミングのレシピを持っております。その中でも、レタス種子用のプライミング処理は、レタスが苦手とする高温条件においても発芽率が高くなるように開発されており、発芽勢、揃いの改善以外に、高温時の発芽において、無処理の種子と比べ明らかな違いをみてとることができます。

 

消毒・除菌

種子伝染性病害は、種子の生産・採種時に病原菌に汚染された種子が持ち込まれることにより、採種地とは別の地域で病気が発生・伝播する病害です。今日の日本の農業では、セルトレイを使った集約的育苗方法が普及しており、汚染種子の混入により病気が発生すると短時間で広まるリスクがあります。種子伝染性病害発生のリスクを最小限に抑えるためには、効果的な消毒・除菌技術が必要です。日本シードテクノの消毒・除菌技術は、種子の発芽能力や活力を維持しつつ、特に細菌により引き起こされる病害に対して高く安定した消毒効果を得ることが可能です。また、この技術は、ペレットやフィルムコートといった他の技術と容易に組み合わせることができますので、必要に応じて種子により高い付加価値をあたえることが可能です。


コーティング(ペレット・フィルムコート)

<ペレット>

ペレット加工

熟練した技術をもつ加工者(ペレッター)が、お預かりした種子を責任もって丁寧に加工しペレットにしていきます。ペレットは何度も篩(ふるい)をかけることで、ペレットサイズが基準内に入るように調整されます。また、種子に異物が混じっていても十分に取り除かれ、種子同士のくっつきも抑えられるよう加工することで、ペレット1粒に種子1粒が入るように生産がおこなわれています。出来高(回収率)も高くなるよう常に心掛けており、お客様からお預かりした種子を無駄なく加工しお返しいたします。ペレットは、乾燥工程後に硬度検査が行われ、必要に応じてクリーンシーダーやポットル等の播種機を使った播種性の検査もおこないます。
このような工程を経て生産された高品質な球形ペレットは、サイズ、形状、重さが均一で、機械播種に最適です。もちろんこれらのペレットは、発芽に必要な種子への水分や酸素の供給を適切にコントロールするようにデザインされており、幅広い環境下で良好な発芽が得られます。

 

<フィルムコート>

ペレットとは別のアプローチで播種の作業性を向上させるにはフィルムコートが最適です。種子をフィルムコートすることにより、種子の粉塵(ダスト)は抑えられ、機械播種時の機内の流動性は高まり、農薬の添加により初期成育時の病害虫の発生が抑えられます。さらに識別しやすい色の液を使ったコーティングは、品種の取り間違えや播種のし忘れ等を起こすリスクを低減させます。
日本シードテクノは、オランダの種子加工会社インコテック社から購入するフィルムコート液 DISCOを、農薬と共に各野菜種子に最適なレシピによりコーティングいたします。種子表面をムラなく包み込み、ダストの発生をできる限り抑えたフィルムコート種子を提供することで、生産者の作業効率向上に貢献いたします。


今後さらに優れた加工種子製品をお客様のもとへお届けするため、独自の研究開発を進めてまいります。日本シードテクノの挑戦は今始まったところです。


発芽試験

発芽試験

加工した種子の発芽勢・発芽率の検査は、発芽試験室にて行われます。発芽試験の内容は品目により異なりますが、ペーパー試験、土壌試験、貯蔵試験、温度勾配試験、ストレス試験の5種の発芽試験の組み合わせとなります。

・ペーパー試験:濾紙上に播種した種子の発芽勢と発芽率を調査する試験で、特に根の異常の確認を行ないます。
・土壌試験:土壌に播種した種子の発芽勢と発芽率を調査する試験で、特に植物の地上部の異常の確認を行ないます。
・温度勾配試験:特に高温におけるレタス種子の発芽を調査する試験で、未処理種子とプライミング処理した製品を比較し、プライミングによる休眠打破効果の確認を行ないます。
・ストレス試験:レタスと一部のアブラナ科種子に行なう試験で、人工的にストレスを種子にかけた後に発芽試験を行なうことで、予想される貯蔵性を調査いたします。
・貯蔵試験:レタスとアブラナ科種子に行なう試験で、加工種子を最長12か月間保管した後発芽試験を行なうことで貯蔵性を確認いたします。

検査終了後、結果は報告書の形でお客様にご報告いたしますので、加工前と加工後の種子の品質をご確認いただけます。

 

梱包

~確かな品質をお客様のもとへ~

確かな品質の製品をお客様のもとへお届けするため、ペレット製品の梱包は隔離された梱包スペースにて行なっております。気温の変化に敏感なレタスなどの加工種子の取り扱いには特に気を付けており、梱包から発送までの保管期間の温度環境は制御されております。また、必要に応じて緩衝材を使用することで、配送中のペレット製品への衝撃が最小限に抑えられるようにしております。最高の状態でお客様のもとへ加工種子が届くよう、社員一同細心の注意を払って種子を取り扱っております。